レクサス RX タバコ焦げ穴のリペア
こんにちは。
今日は風があるせいか、比較的過ごしやすいです。
さて、今日の施工のご紹介は、
レクサス RX シートのタバコの焦げ穴のリペアです。
こちらのお車、とても綺麗に乗られていますね。
そして、お傷は運転席の座面です。分かりますか?
拡大するとこんな感じです。
シートは、パンチングシート、そしてかなり深くまで穴が空いています。(>_<)
今回は、写真を細かく撮りながら施工しましたので、施工途中が良く分かりますよ。
まず、シートの座面を脱脂クリーニングした後、革の穴の周辺の劣化した部分をテーパー状にカットしていきます。
テーパーにカットしないと、後から表面を整えるパテの密着が悪くなります。
そして、難燃性のウレタンを穴の深さに合わせて制作していきます。
次に穴の中に接着剤を充填して、ウレタンを入れ、形を整えていきます。
この時、ウレタンの面の高さが、低すぎても、高すぎてもいけません。
下の写真は、いい感じに埋まってくれました。
次に裏打ち用のリペアの布を制作します。このリペアシートの役割は、座面がずれても、ウレタンの表面を滑らせて、リペア部に負担がかからないようにするためなんです。
このシートの裏側には、滑りがよくなるように、一工夫してあるんです。
このリペアシートを革の裏側にすべり込ませて、位置を合わせていきます。
この工程は慣れるまで、結構大変ですね。私は三つ折りにして挿入していきます。
次に、革の裏側と、リペアシートを接着するため、パテを用いて隙間がないようにパテを入れていきます。
今回は、高温タイプのパテを使用しました。
下の写真は、隙間にパテを充填終了した状態ですね。
そして接着するため、アイロンを使用して硬化させていきます。アイロンは、直接当てず、耐熱シーートを介して行います。加熱時間は、ゆっくりと5秒程ですが、周井の気温も考慮して加熱していきます。
以上が裏打ちの工程となり、次は表面を整える作業ですね。
革の厚みの分、凹みがありますので、ここもパテで、面を整えて行きます。
マスキングテープが貼ってあるのは、必要の無いパンチングの穴まで、パテが回らないようにガードしておくためです。
そして、表面には、何回かに分けて、パテを盛り、硬化させていきます。
このパテは優れモノで、半キュアの状態では、ペーパーで削ることが出来て、とても便利です。面を出す時や、穴を開ける時は、半キュアの状態でなければ加工することが出来ません。
この状態で、私はアイロンを使わず、ヒートガンで、半キュアな状態まで加熱していきます。
上の写真のように、艶が消えた状態が半キュアな状態です。この状態から、ペーパ-を当てて、面を整えて行きます。
綺麗に面が整いました。そして大事なパンチングの穴をルーターと、楊枝を使用しながら慎重に開けていきます。
穴の部分を少し細かいペーパーで、バリを取り除き、本キュアして表面の加工は、終了ですね。
ここまで、約1時間の作業です。
後は、再び脱脂して、塗料の色を調色して、すり込み(本塗装前に必要な量の塗料をのせて行く工程)を行います。
そして、最期の仕上げはスプレーガンを使用して色を乗せて、色、艶ともにずれがないか、確認していきます。
綺麗に仕上がりましたね。 穴がどこにあったか、わかりません。
目線の距離から見るとこんな感じです。
まったく、わからなくなりました。
ご依頼のN様も、びっくりです。 とても喜んでいただけました。
N様、ありがとうございました。